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青い欲情~男と女の色模様~
第14章 それぞれのクリスマス
母の清美がヨガ教室主催のクリスマス会に
少し遅れて会場入りした。
受付けで列席登録を済ますと
「会費をちょうだいします」と言われて
財布から一万円を手渡した。
『少し高いんじゃないの?』と清美は思ったが
ホテルの広間を貸しきってのバイキング形式のパーティーならこんなものかと会場に入室して顔馴染みを探した。
「あら~!清美さんも今年は参加できることになったのね」
探すまでもなくヨガ仲間の奥さま連中が清美を見つけて近づいてきた。
「一万円分、しっかりと元を取らなきゃダメよ」
常連の一人が「こっちのテーブルを確保してあるの」と清美を連れていってくれた。
テーブルの上には取り皿に溢れるぐらいの料理を各自が盛り付けてある。
元を取るにしても何もこんな不細工な盛り付けをしなくてもいいのに…と見ただけで美味しくなさそうな料理に思わず苦笑してしまう。
「清美さん!」
背後から聞き覚えのある声に
清美はときめいてしまう。
振り替えるとやはりそこには大森先生が笑顔で立っていた。
「大森先生!」
あなたに会うために来たのよとばかりに
これ以上ない笑顔を彼に見せた。
「よければこちらにいらっしゃいませんか?」
二人用のテーブルを確保してあるという。
料理がぐじゃぐじゃと積み重ねたテーブルで食べても美味しくなさそうだし、清美は喜んで彼のテーブルに向かった。