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青い欲情~男と女の色模様~
第15章 告発状
家族団欒とはいかないまでも
やはり正月だからか、それとも酒を飲んでご機嫌だからか、父はいつも以上に饒舌だった。
一通り会話が終わって沈黙の時間が流れ始めたその時、
「ピンポーン」とインターホンが鳴り響き、
コトンと郵便受けに何かが投函された音がした。
「あら?誰かしら?」
母がインターホンのモニターをONにしても誰も映っていない。
「宅配便かしら?」
近頃では受け取りのサインの要らない小さな小包なら宅配業者はポストに投函してそのまま帰ってしまうので小包でも届いたのかしらと
母は郵便受けを開けに門扉に向かいかけた。
「いや、いい。俺が見てくるよ」
父の春彦が慌てて席を立った。
実は沙織に使ってみようと「大人のおもちゃ」を通販で購入していたので、てっきりそれが届いたものだと思った。
家族に見つからないようにしなければいけないと
春彦は慌てたのだが、
郵便受けには封筒が投函されていただけだった。
「なんだろう?
こんなものが届いていたよ」
父がテーブルに、その封筒をポンと投げた。
「なんなのかしら?」
朝の母の不倫を匂わせる年賀状と同じように
宛名も何も書かれていない封筒…
僕は「中身はなんだろうね?」と封筒を開封した。
中には一本のメモリースティックが収まっていた。