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青い欲情~男と女の色模様~
第1章 童貞卒業
「電話するからテレビを消してくれる?」
僕があっけなく射精を終えたのに
あの男優さんはまだ女優さんの上に覆い被さって腰を振っている。
『すげえな…マジでAV男優って尊敬しちまう』
思わず画面に釘付けになってしまったのを、
沙織さんの咳払いでハッとなり
急いでテレビの電源をオフにした。
スマホを耳にピッタリと密着させていないので
そばにいると音が漏れて聞こえてくる。
「あ、もしもし、吉村です
連絡が遅れて申し訳ありません」
- なんだどうした?
連絡がなかったから心配したぞ -
スマホから漏れ聞こえる声は
少しだけ陰湿そうな感じがした。
それと共に『あれっ?どこかで聞いたことのある声だな』と思った。
「すいません…朝から体調が悪くて…」
- えっ?休むの?
おいおい、いい加減にしてくれよ
決算月で忙しくて猫の手も借りたいぐらいなのにさ -
「すいません…午後からでも良ければ出社します」
- そうしてくれるか
いや、女の子だから体調が悪いときもあるだろうけどさ、せめて今月は頑張って出勤してくれ -
わかりました…
なるべく早く出社します…
そう言って通話を終えると
「わかった?社会人って意外とつらいのよ」と
沙織さんは慌ててシャワーを浴びに浴室に飛び込んだ。