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青い欲情~男と女の色模様~
第17章 対峙する夫婦
「そ、その話を今持ち出さなくてもいいじゃない!」
「何を言う、一緒だろ?
お前だって僕を裏切ってあんなマッチョに抱かれて腰を振っていたクセに!」
話が見えてこない沙織はキョトンとしている。
「W不倫なんだろ!どっちもどっちじゃないか!」
僕は何も言えずに押し黙っている沙織の手を取って「あとは夫婦でこれからの事をしっかり話せよ」と退席しようとした。
「待ちなさいよ!
その女だって不倫の当事者よ!」
母さんは沙織に恨み辛みの罵声を延々と沙織にぶつけたいとばかりに退席を阻止しようとした。
「それなら母さんを抱いた動画の男も呼ぶべきだよ。そいつを抜きにして沙織だけに罪を押し付けるなよ!」
行こ!
僕は何か言いたそうな両親を尻目に
沙織を引きずるように家を飛び出した。
「私…奥さまにちゃんと謝らないと…」
まるで散歩を嫌がる犬のように
家を出たところで立ち止まり
腕を取る僕に逆らうように踏ん張って動こうとしない。
「それは母の不倫相手が姿を現した時でいい
四者で今後の事をちゃんと話す機会を儲けるからさ、今は夫婦で互いの気持ちを整理させてあげないとな」
だから今はほっておけばいいよと
僕は沙織の腰を抱いて家から遠ざけた。