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青い欲情~男と女の色模様~
第20章 最終学年
「あ~!かったるいよなあ」
僕たち二年生は三年生の卒業式の準備をしていた。
クラスメートが口々に「ダルいだの」、「やってらんねえ」と不満の声を漏らしていた。
「ちゃんと卒業生を送り出してやろうぜ」
僕はせっせとパイプ椅子を並べていく。
「お前さあ、いつからそんな優等生になった?」
「そんなんじゃなくてさ…
僕らが入学式をしてもらうのに
多分、今の卒業生がこうやってパイプ椅子を並べてくれたと思うんだ…
だから…恩返しというか…」
「やだねえ、優等生ぶりやがって!
あっ!そうか!お前さあ内申点を上げるのに必死なんだろ?」
僕は学年末テストでこの世の終わりかと思うほどの最悪の点数を取った。
このままでは志望大学どころか
三流、いや、四流大学さえも危ういと
答案用紙を返しながら担任の磯田が大きな声で叱責するものだから、僕がバカなのをクラスメート全員に知られてしまった。
こういう些細な事からイジメが始まるってことを教師はわかってないんだろうなあ…
何もみんなの前で暴露しなくてもいいじゃないか…
僕が成績を落としたのは
家出した母さんの事もあるけれど
母さんがいなくなった我が家に沙織が居座ってしまったのも原因のひとつだった。