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ガトーフレーズ
第9章 gâteau pyrénées
公園のベンチに座って、景色を眺める。
こんな時間が、永遠に続くのだと思っていた。
「俊太……。ごめんね。……別れたいの。あたし、気持ちが冷めちゃったんだ」
空気が静止して、歪んだ気がした。
「……どうして?」
泣き出しそうな顔で俊太は言った。
「俊太じゃ、あたしを幸せにできないから。もう、気持ちがないから……」
────剥がれていく夕方。
眉間のあたりで、氷の粒子ががりがりと音をたててまわっているような音が響いた。
「わかりました……」
「ごめんね。ここで始まったから、ここで終わりにしたいと思って」
残酷な言葉だって、わかってる
だけど、こうするしかできなくて……
「もう帰っていいよ」
「もう少し一緒にいたいって言っても?」
「……うん、ごめん」
────ほんとは、涙がこぼれそうだったから。
「…………わかりました」
背中が、離れていく俊太を感じていた。
振り向いて、引き留めたくて、できなくて……。
夕陽が、沈んでいく。
太陽は人々の気持ちを吸収して、軽くなったり重くなったりしながら昇ったり沈んだりする。
今日の太陽はとても重そうに見えた。
こんな時間が、永遠に続くのだと思っていた。
「俊太……。ごめんね。……別れたいの。あたし、気持ちが冷めちゃったんだ」
空気が静止して、歪んだ気がした。
「……どうして?」
泣き出しそうな顔で俊太は言った。
「俊太じゃ、あたしを幸せにできないから。もう、気持ちがないから……」
────剥がれていく夕方。
眉間のあたりで、氷の粒子ががりがりと音をたててまわっているような音が響いた。
「わかりました……」
「ごめんね。ここで始まったから、ここで終わりにしたいと思って」
残酷な言葉だって、わかってる
だけど、こうするしかできなくて……
「もう帰っていいよ」
「もう少し一緒にいたいって言っても?」
「……うん、ごめん」
────ほんとは、涙がこぼれそうだったから。
「…………わかりました」
背中が、離れていく俊太を感じていた。
振り向いて、引き留めたくて、できなくて……。
夕陽が、沈んでいく。
太陽は人々の気持ちを吸収して、軽くなったり重くなったりしながら昇ったり沈んだりする。
今日の太陽はとても重そうに見えた。