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ガトーフレーズ
第10章 soufflé
卒業が近づいていた。
毎日はそれなりに楽しかった。
目眩がするほどの幸福感はないけれど、
ふわふわと膨らんだ真ん丸な気持ちにはなれないけれど。
そして、見せる人がいないおしゃれも、鳴らない電話も、たくさんのものに興味を失ったけれど、ひとつだけ、やりたいことを見つけることができた。
それまでは、短大に行って二年考えようとか、なんとなく好きだった美容部員になるために専門学校もいいなと思っていた進路……。
今の希望は、たったひとつ……。
あのカフェで働くこと。
俊太が好きなあのカフェで、たくさんの花々と、おいしいケーキに囲まれて働きたい。
毎日はそれなりに楽しかった。
目眩がするほどの幸福感はないけれど、
ふわふわと膨らんだ真ん丸な気持ちにはなれないけれど。
そして、見せる人がいないおしゃれも、鳴らない電話も、たくさんのものに興味を失ったけれど、ひとつだけ、やりたいことを見つけることができた。
それまでは、短大に行って二年考えようとか、なんとなく好きだった美容部員になるために専門学校もいいなと思っていた進路……。
今の希望は、たったひとつ……。
あのカフェで働くこと。
俊太が好きなあのカフェで、たくさんの花々と、おいしいケーキに囲まれて働きたい。