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ガトーフレーズ
第11章 chou à la crème
……トン、テーブルがわずかな振動を伝え、ハッとするほど鮮やかな赤が目に飛び込んできた。
「ストロベリーダイキリだっちゃ」
「……ラムちゃん、ありがとう」
こんなふうに、また笑いあえる日がくるなんて、思ってもみなかった。
グラスの中で揺れる煌めきと、馥郁たるラムの香り。
俊太の笑顔が刺激的すぎて、眩暈がした。
早送りされる時間の中「そろそろ帰る?」と聞いたのは、たぶん半分引き止めて欲しかったからで、
「帰らせない」腕をつかまれて暗がりでキスをされたときには、心の針は完全に振り切れていた。
「どうやってさっき、私を見つけたの?」
「莉乃さんがいる場所ならわかるって言ったじゃん……」
「ストロベリーダイキリだっちゃ」
「……ラムちゃん、ありがとう」
こんなふうに、また笑いあえる日がくるなんて、思ってもみなかった。
グラスの中で揺れる煌めきと、馥郁たるラムの香り。
俊太の笑顔が刺激的すぎて、眩暈がした。
早送りされる時間の中「そろそろ帰る?」と聞いたのは、たぶん半分引き止めて欲しかったからで、
「帰らせない」腕をつかまれて暗がりでキスをされたときには、心の針は完全に振り切れていた。
「どうやってさっき、私を見つけたの?」
「莉乃さんがいる場所ならわかるって言ったじゃん……」