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ガトーフレーズ
第12章 tarte
夜通し抱き合って、気づいたら朝になっていた。
ぐっすり眠っている俊太に布団をかけて、ベッドを抜け出す。
新しいケータイの番号を書いていこうかとも、置き手紙をしていこうかとも思ったけど、結局やめた。
何て書けばいいのか、わからなかったのだ。
──── 23歳、最後の日。
今日も莉乃はカフェへ行く。
あの、光の庭のあるカフェへ。
電車に揺られながら、昨夜のことを思い出していた。
再現され続けたら蕩けてしまうほどの、夢のような時間。
甘い痛みが、体の入り口にまだ残っている……。
ぐっすり眠っている俊太に布団をかけて、ベッドを抜け出す。
新しいケータイの番号を書いていこうかとも、置き手紙をしていこうかとも思ったけど、結局やめた。
何て書けばいいのか、わからなかったのだ。
──── 23歳、最後の日。
今日も莉乃はカフェへ行く。
あの、光の庭のあるカフェへ。
電車に揺られながら、昨夜のことを思い出していた。
再現され続けたら蕩けてしまうほどの、夢のような時間。
甘い痛みが、体の入り口にまだ残っている……。