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ガトーフレーズ
第12章 tarte
改札を抜け、公園へ続く坂道を登る。
気がつけば、走りだしていた。
星屑の端っこで、俊太は寝転んで空を見上げていた。
そして、
「遅いよ…………。六年間待った」
のんびりとそう言って笑った。
「もう一度出会って、また好きになったら、絶対諦めないって決めてたから。
莉乃さんに好きな人がいても、他にどんな理由があっても、絶対好きにさせてみせるから」
俊太は立ち上がり、まっすぐに莉乃を見つめた。
……そうだった、この眼差しはいつだってまっすぐだった。