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ガトーフレーズ
第8章 glace
あのころ、俊太は飴細工にとても興味を持っていて、自宅の厨房でよくいろいろなものを作っていた。
俊太にとって、お菓子作りは、子供のころからの大切な友達みたいなものだったんじゃないかなと莉乃は感じていた。
クッキー生地で飛行機や車を作ったり、綺麗なケーキにワクワクしたり。
はじめて、ショートケーキを作ったのは、小学校三年生のときだったという。
夏休みが明け、本格的に志望高校を検討する時期を迎えたころ。
俊太にしては珍しく、上の空になったり、考え込むように伏し目がちになる瞬間が度々あった。
「どうしたの?」と聞くのがなぜか怖くて、月日だけが流れていった。
そして、高い空に鰯雲が浮かぶ季節になったころ、
「親父の知り合いのところに、修行に行くか迷っていた」
そう告げられた。
俊太にとって、お菓子作りは、子供のころからの大切な友達みたいなものだったんじゃないかなと莉乃は感じていた。
クッキー生地で飛行機や車を作ったり、綺麗なケーキにワクワクしたり。
はじめて、ショートケーキを作ったのは、小学校三年生のときだったという。
夏休みが明け、本格的に志望高校を検討する時期を迎えたころ。
俊太にしては珍しく、上の空になったり、考え込むように伏し目がちになる瞬間が度々あった。
「どうしたの?」と聞くのがなぜか怖くて、月日だけが流れていった。
そして、高い空に鰯雲が浮かぶ季節になったころ、
「親父の知り合いのところに、修行に行くか迷っていた」
そう告げられた。