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第1章 百合子

今までは、女子高育ちだからなのか、男の人が怖かったけれど、広長さんは優しい人。

私は幸せだった。

そんなある時だった。

いつものように外科に遊びに行くと、広長さんと看護師長が話をしていた。

「結婚、するのね。」

「葉月さん。」

嫌な予感がした。

二人はただならぬ関係なんだって。

でも、確か看護師長は、今年で40歳になるはず。

しかも、バツイチで子持ちだって、お父さんが言っていた。

「私を選ばなくてよかったじゃない。相手は院長の娘さんでしょ。」

看護師長は、泣いていた。

「若いし、かわいいし。私とは大違い。」

すると広長さんは、看護師長を抱き寄せてキスをした。

ショックで、声も出なかった。