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A crescent moon
第7章 密会
違う。
ただの確認電話。
何もない。
良子ならもし何があっても上手くごまかしてくれるはずだから。
私は自分に言い聞かせて、震える手で通話ボタンを押した。
「...良子?」
『...わ..美和...』
私を呼ぶ途切れ途切れの良子の声に、叫びそうになった。
『ごめ...ほんとにごめんなさい...きゃっ...』
「良子?」
『...美和。帰ってこい。』
その低い声に背筋が凍る。
「まさ...ひろさ...」
『今すぐ帰ってきなさい。』
「...ゃ...イヤ..」
涙が溢れてくる。
後ろに人の気配を感じて振り返った。
「..どうしたの?」
「イヤよ..帰りたくない..!」