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第8章 悲鳴

『俺さ、本当の親がいないんだ。』

『えっ....』

私が食べていた手を止めると、正弘さんが苦笑いして私をみた。

『言わなくてごめん。父親は生まれる前に死んでて、母親は俺を生んですぐに施設の前に捨てた。』

『そう....だったの....』

『でも、１５の時に引き取ってくれた人たちがいて…子供ができなくてね。俺は一生懸命勉強した。それで大学まで行かせて貰った。だから親はその二人みたいなものなんだ。』

『....』

『でも..養父さんは酒が入ると、暴れる人でさ。俺も何度も怒鳴られ叩かれたよ。けど俺は育てて貰ってる恩もあるし、自分が悪いとこもあったから我慢してた。』

正弘さんは食後のコーヒーを置いた。