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A crescent moon
第9章 世界

カレンダーの数字に丸印を描いていく正弘さんを見上げた。
月末のアノ日までに、まだ丸印の付いていない箱は…6個見える。

「カウントダウンだ…これなら分かりやすいでしょ?」

食卓にペンを置いて私を振り返って笑顔でいうと、フローリングに寝そべる私のそばに正弘さんが立つ。

手になにやら持っていた。

「美和、お風呂入ろっか。あれから入ってないもんね。美和を綺麗にしなきゃ。」

「...」

臭いということだろうか?
犬のように剥き出しの腕をクンクンする私を見て、正弘さんが笑った。

「美和は臭くないよ。でも俺の精子一杯かかってるし、美和は女の子だからね。」

「...」

ジャラジャラと左手を動かして見せると、困ったように眉をしかめる。

「外すけど...暴れちゃだめだよ?美和、言うこと聞ける?」

小さく頷いて答えると、南京錠に鍵を差し込んだ。
ジャラジャラと鎖を外していく。

久々に軽くなった手を正弘さんの背中に回すと、そのまま抱き上げてくれた。
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