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第9章 世界

熱いシャワーを身体にかけられ、ちょっとビクッとする。

それを見ながら正弘さんは嬉しそうに笑った。

頭にお湯をかけられ、優しい手付きでシャンプーすると、すぐに流す。

「リンスとトリートメントって...わかんないな...どっちがどっちだ...」

二つを手にとって首を傾げる彼に抱きつくと、まぁいっか、とどちらも置いて、タオルに石鹸をつけ泡立てた。

「美和の身体は綺麗だ。人形さんみたいだ。」

私の身体を擦りながら放ったその言葉に、なんだか複雑な気持ちがした。

『身体が綺麗だって…』

『前にも一度言われたことあるね。』

『誰だっけ？』

『正弘さんじゃん。』

『そっか。』

そうだ。

正弘さんはいつも私だけを見ていてくれるからそういうことを言ってくれる。