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A crescent moon
第9章 世界
丸印がまた増えた。
あと白い箱は…5つ。
なんの印だったっけ?

「もう今月も終わりだ。いよいよだね、美和。君と家族になる日。」

正弘さんに抱かれながら、声は耳に入ってこない。

全ての痣は綺麗に消えた。
ただ、左の手首だけが青い。

「美和のウェディング姿、綺麗だろうな…」

「…」

「俺の自慢の奥さんだ。」

「…」

「ねえ美和。愛してる。」

「…」

「美和?」

引き込まれていく。
暗い世界に。
まぶたが重い。

眠い。

死にたい。

生きたい。

正弘さんの身体、暖かい。

「…寝ちゃったか。」

モソモソと動いて、隣で正弘さんが姿勢を変え、私を後ろから抱きしめるのが分かった。

「美和…しゃべってよ…」

どうして?しゃべってるよ。
ちゃんと聞いてよ、正弘さん。
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