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A crescent moon
第12章 再起
「会いたかった…」

「うん。がんばったね、美和…」

優しく頭を撫でられ、胸板にきつく引き寄せられると涙が一気にこぼれた。

「高坂さん、悪いですけど隣の部屋で。」

「お前のためにコンビニいってきたんだけど?」

「そこにおいといてください。」

「ふんっ…マネを雑に扱うなっつってんだろう。」

「すみません。」

ヨシキの言葉に高坂さんはため息をついてから、部屋を出て行った。

私は顔も上げずにただ、ヨシキの胸に顔をうずめて泣いていた。

パタン

扉が閉まる音が聞こえて、ヨシキが私の顔をゆっくり引き離した。
覗き込むように見られて、化粧がぐちゃぐちゃになってしまたことに気づく。
慌てて顔を逸らそうとして、あごをつかまれた。

「やだっ…顔…ぐちゃぐちゃだから…」

「美和。」

優しく名前を呼ばれておずおずと顔を上げると、青い二つの瞳と合う。
やっぱり目が離せない。
吸い込まれそうだった。

「来たんだ。」

「ごめん…私…気づいたらここに…」

私が謝ると、またぎゅっと抱きしめてくれた。

「会えてうれしいよ。その…タクトから話は聞いていたんだ…」

「…」
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