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A crescent moon
第13章 逢瀬
息荒い二人の間に沈黙が流れる。

ようやくズルリと抜けた彼のモノには私の血がついていた。

「…初めて君を抱いたときはバージンじゃなかったはずだけどな。」

ヨシキがフッと笑い、近くにあったティッシュで私のソコを優しく拭った。

「…あ、ありがと…」

さっきまでの行為なんかよりも、この行為の方が何倍も恥ずかしさを感じる。

拭き終えると、ヨシキはまたベッドに寝転び私においで、と胸元へ引き寄せた。

「荷物を運ぶのに手伝いは何人必要?」

「え…」

思わず顔を上げるとヨシキは私の頭を撫でてから、小さく頷いた。

「最上階の部屋をプライベートで使わせて貰えることになった。本当は家もあるんだけど、こっちの方が何かと便利だし…まぁ、あまり帰らないんだ。」

「遠いの?家…」

まるで私が出す結論がわかっていたかのようにすでに部屋が手配されていたことよりも、いや、おそらくわかっていたのだろうけど、家に帰らないことへの疑問が勝っていた。
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