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A crescent moon
第13章 逢瀬
しかし無言な彼に私は何となくあまり聞かない方がいい空気を感じて、何でもない、と言った。

「…その部屋ならキッチンもあるし、2つ部屋もついてる。たまに帰れない時はあるけど、なるべく帰るようにするよ。」

「…うん。」

なぜホテル暮らしなのか、私と一緒にいていいのか、聞きたいことはたくさんある。

けれど襲ってきた睡魔に勝てそうにもなかった。

「美和、君は一人じゃないよ。」

「…よしき…」

次第にぼやける視界の端で、ヨシキの青い瞳が細くなった。

「…君は一人じゃない。神はみんなに平等だから。」

「…ふふっ、ヨシキって…何か信仰…」

「違うよ、ほら、おやすみ」

優しく布団をかけてくれる彼の腕の中で、私はゆっくりと目を閉じた。


不安と幸せの中で、私は全く先の見えないまま朝を迎える。

新たに続く日々が平穏なはずがないと、心の隅で感じながらーーー
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