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A crescent moon
第3章 悪夢
考えながら、不審げに私を見る正弘さんを見上げて手を取った。
「何かもめてたみたい。早く帰ろう。ご飯、何が良いかな」
「そうだなあ~」
険しい顔が一転して優しさを取り戻す。
これを見るたびに、カメレオンみたいだと思う。
色を変える。
ヨシキはどうして目の色が変わっていたのだろう。
「レストラン楽しみ~」
「お前のために予約したんだからな。」
「ふふっ」
近くを通り過ぎるカップルの会話が胸に突き刺さる。
今日も家に帰って食事を作らなくてはいけない。
正弘さんの好きなものを、彼のためだけに。
カメレオンのように色が変わることにおびえながら。
ワタシハ イッタイ シアワセナンダロウカ