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A crescent moon
第5章 過去
「今日も真っ直ぐ帰るの?たまには飲みに行こうよ。」
良子が言うけど、私は首を振った。
「ごめん。事前に彼に言わないといけない。それに..ちょっとみたい番組あるんだ。」
「美和がテレビ見るなんて珍しいね!何の番組?」
「音楽。」
「あー、M○テ?へ~好きな歌手でもでるの?」
「う、うん..」
私がちょっと答えに詰まると、察しのいい良子の目が光った。
「男?」
「ま、まあ....」
「ふ~ん。まあ正弘さんに嫉妬されないようにね。」
「うん、じゃあ。」
私は苦笑いして早々と駅に向かった。
2ヶ月前にテレビで見てから何度かヨシキのバンドを調べた。
ちょうど初めて会った日くらいにデビューして、そのビジュアルと技術で一気に有名になったらしい。
ドラマーとギターとベース....音楽はよくわからないけど、ヨシキはボーカルだけ。