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A crescent moon
第5章 過去
それは私がたまたま実家に帰った日のことだった。
正弘さんは仕事でいけなくなり、私だけ帰省していた。


『ただいまぁ~』

『ああお帰りぃ美和。』

お母さんが割烹着姿で出てきた。
靴を脱いで家に入ると、お母さんがついてくる。

『仙道くん来とるよって、今仕事の話、父さんとしとる。』

『ふぅん。』

私はリビングに入り、お茶を飲みながら話し合っている男二人の所に向かった。

『ただいまお父さん。仙道くんも久しぶり。』

『ああ美和帰ったのか。』

二人が顔をあげて私を見る。

『美和ちゃん、久々。大人っぽくなったね。婚約おめでとう!」』

『有り難う。』
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