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A crescent moon
第5章 過去
その先を言われる前に私は口を開いた。

『でも上京して変わったの..言葉だって恥ずかしくて頑張って直した。会社だって継ぎたくないし、こんな田舎で住みたくないんだって思ってた時に....彼を好きになったの..』

『....』

仙道くんは黙って座席に深く座り直した。

『ごめんなさい...待たせてたなんて..本当に....』

その時、目の前がいきなり明るくなった。

『....誰や?』

ガレージに入ってきた一台の車に私たちは目を細めて車を出た。

(あの車は..)

『ま、正弘さんっ!?』

私は目の前に止まった車に駆け寄った。
窓が開いて、正弘さんが顔を出す。
低い声からは怒りが感じられた。


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