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A crescent moon
第5章 過去
『あらぁ正弘さんやないのぉ!仕事あったんとちゃうん?』
お母さんが出てきて喜びの声をあげた。
『お久しぶりです。早めに切り上げてきました。せっかくお約束したのに行かないのは..』
『ほんなことええのに~車ぁ?遠いとこまでほんますんませんなぁ~父さーん!正弘さん!』
奥から慌ててお父さんが出てきて、スーツ姿の彼に頭をペコペコ下げた。
『いやもう遠路はるばる..さ、入ってください!』
『お邪魔します。』
『夕飯は..』
『まだです..』
『なら、粗末なもんですが..』
仙道くんは玄関に立ち尽くし、お母さんが首をかしげた。
『早よ入りんか。仙道君。なにぼーっとつったっとる?』
『あ、もう今日は…』
仙道君が帰りかけたのを慌ててお母さんが引きとめた。
『どうせ一人じゃろ?夕飯続き食べてきい。』
『でも…』
そのとき正弘さんが玄関を覗き込んできた。
『仙道君…だったかな。ぜひ話もしたい。』
正弘さんの言葉に私をちらりと見た。
そして…
『ほんなら…夕飯だけお邪魔します。』
仙道くんは気まずそうに俯いて、靴を脱いだ。
お母さんが出てきて喜びの声をあげた。
『お久しぶりです。早めに切り上げてきました。せっかくお約束したのに行かないのは..』
『ほんなことええのに~車ぁ?遠いとこまでほんますんませんなぁ~父さーん!正弘さん!』
奥から慌ててお父さんが出てきて、スーツ姿の彼に頭をペコペコ下げた。
『いやもう遠路はるばる..さ、入ってください!』
『お邪魔します。』
『夕飯は..』
『まだです..』
『なら、粗末なもんですが..』
仙道くんは玄関に立ち尽くし、お母さんが首をかしげた。
『早よ入りんか。仙道君。なにぼーっとつったっとる?』
『あ、もう今日は…』
仙道君が帰りかけたのを慌ててお母さんが引きとめた。
『どうせ一人じゃろ?夕飯続き食べてきい。』
『でも…』
そのとき正弘さんが玄関を覗き込んできた。
『仙道君…だったかな。ぜひ話もしたい。』
正弘さんの言葉に私をちらりと見た。
そして…
『ほんなら…夕飯だけお邪魔します。』
仙道くんは気まずそうに俯いて、靴を脱いだ。