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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第109章 さよならはダンスのあとで
話は、ゆきさんが32歳ぐらいの時であった。

この時、ゆきさんはたったひとりの娘さんが誘拐されたあと死亡した悲しみにくれていたことを筆頭に、ゆきさん自身が悲運にあい続けていた。

その中で、ゆきさんのダンナが小倉北区の旦過市場《いちば》でヤクザの男たち数人と乱闘になった末に拳銃《チャカ》で撃ち殺して逃げた事件が発生した。

それが原因で、ゆきさんは仲間のヤクザたちによって連れ去られた。

ところ変わって、京都府城陽市の国道24号線沿いにあるラブボにて…

ゆきさんは、仲間のヤクザたちによって部屋に監禁された。

ゆきさんの前にものすごくするどい針がついている注射器が向けられていた。

ゆきさんは、かれらに対して泣きながら命乞いをした。

「やめて!!お願いやめて!!」

かれらは、ものすごく怒った声でゆきさんに言うた。

「なにがやめてや!!」
「オンドレのダンナがおれたちの仲間を拳銃《チャカ》で撃ち殺したんや!!」
「オンドレのダンナが犯したあやまちは、オンドレ自身がつぐなうのだよ!!」
「イヤ!!イヤ!!」

ゆきさんが激しく抵抗したので、リーダーの男は怒った声で言うた。

「おい、この女をだまらせろ!!」

このあと、仲間の男たちはゆきさんを無理やりベッドに寝かせた。

「やめて!!やめて!!やめて!!」

仲間の男たちは、ゆきさんが着ていた衣服をズタズタに破いた。

(ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!)

「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!おとーちゃん!!おかーちゃん!!ゆりねーちゃん!!ゆかねーちゃん!!ゆいねーちゃん!!…」

ゆきさんは、よりし烈な声で泣き叫んだ。

そうこうして行くうちに、ゆきさんは次第に意識をうしなったようだ。
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