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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第116章 ブラボー酔虎伝(すいこでん)
時は、夜9時過ぎであった。

ポムじいさんがデリシャン株を買い増したと言うニュースを聞いたゆらさんは、最後のかけに出た。

この日の夜、マリンホールディングスのCEOが取り巻きの男たちを連れて新宿歌舞伎町にある会員制のナイトクラブにやって来た。

ゆらさんは、ここで最後のかけに出た。

ところ変わって、店内にて…

ゆらさんは、CEOの前で土下座をした。

CEOは、舌打ちしたあとゆらさんに対してあつかましい声で言うた。

「しつこいババァだな…」
「ババァで悪かったわね!!」
「てめえは、そないにデリシャン株がほしいのか?」
「ほしいわよ!!」
「わかった…ただし、ただではやらんぞ!!」
「どう言うことよ!!」
「わしと勝負して、わしが負けたら当社が保有している48パーセント分の株式をやる…それでどうだ!?」
「受けて立つわよ!!」

ゆらさんは、なんのためらいもなくCEOとの飲んべえ勝負を受けて立った。

テーブルの上に、デリシャン株48パーセント分の株券が置かれている。

株券の上には、『土佐鶴』が入っているタンブラーが置かれている。

十万円コースターのパロディで、株券コースター…である。

勝負は、日本酒が入っているタンブラーから始まった。

ゆらさんは、最初の一杯をラクラクのみほした。

その後、『酔鯨《すいげい》』『司牡丹《つかさぼたん》』など…

土佐の名酒が次々と出てきた。

ふたりは、次々と出てきた酒をごくごくとのみほした。
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