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第119章 コバルトに消えたブルー

時は、２月１日の午前11時頃であった。

ところ変わって、大阪市城東区鴫野《おおさかしぎの》にある中型の病院にて…

ゆきさんは、ここで日帰り人間ドックで検査を受けていた。

この時間、ゆきさんは一通りの検査を終えた。

ゆきさんは、待合室のイスに座って呼び出しを待っていた。

（ガチャ…）

この時であった。

診察室のドアが開いたと同時に看護婦さんがゆきさんを呼んだ。

「君波ゆきさま…お入りください。」

ゆきさんは、恐る恐るの表情で診察室に入った。

診察室にて…

ゆきさんは、医師から残酷な知らせを聞いた。

検査の結果は…

…………

要精密検査だった。

ゆきさんは、ものすごくつらい表情で男性医師に言うた。

「要精密検査って…」
「はい。」
「先生、うちはどこが悪いのでしょうか？」

ゆきさんの問いに対して、男性医師はけわしい表情で答えた。

「子宮のエコー検査で見つかりました…子宮の部分に…数センチの穴のような物が見つかりました。」
「子宮に数センチの穴が見つかった…」
「はい。」

もしかしたら…

子宮ケイツイガンかもしれない…

ゆきさんは、真っ青な表情でつぶやいた。

さらに男性医師は、ゆきさんに対してより残酷な言葉を言うた。

「君波ゆきさまには…他にも検査で発見された部分がございます…これですが…」

男性医師は、脳のＭＲＩ検査のフィルムを蛍光灯のボードに貼り付けたあとゆきさんに言うた。

「脳の血管にコブみたいなものが見つかりました。」
「ウソでしょ…血管にできたコブ…どうにかならないの？」

男性医師は、よりけわしい表情でゆきさんに言うた。

「残念ながら…ありません…と言うか…うちの病院では…手術をすることができません…」
「そんな…」
「あと、他にも検査で見つかった部分がございますので、大きな病院で精密検査を受けるように。」
「大きな病院って…」
「（国立）がんセンターですね。」

がんセンターへ行けって…

うち…

死んじゃうの…

ゆきさんは、ものすごく悲しげな表情でつぶやいたあとふらついた足取りで診察室から出た。

男性医師は『言いすぎたか…』とつぶやきながらゆきさんの背中を見送った。