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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第120章 幸せにおなりよ
時は、午後3時半頃であった。

ゆきさんは、病院から出たあと市道大阪環状線《しどうかんじょうせん》の歩道をトボトボと歩きながら考え事をしていた。

うち…

ホンマに死ぬのかな…

ホンマに…

死ぬのかな…

ゆきさんは、悲しげな表情でつぶやいた。

この時であった。

ゆきさんは、最初のダンナと結婚した時に死の危機にひんした出来事を思い出した。

場所は、城陽市の国道沿いのラブボの一室にて…

「イヤ!!助けて…殺さないで!!」

ゆきさんは、泣きながら彼ら(ヤクザの仲間たち)に対して命乞いをした。

彼らは、ゆきさんに対してより強いオドシでイカクした。

ゆきさんは、必死になって抵抗した。

しかし…

彼らは、ゆきさんをベッドに寝かせたあとしつように暴行を加えた。

「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!おとーちゃん!!おかーちゃん!!ゆりねーちゃん!!ゆかねーちゃん!!ゆいねーちゃん!!」

それから何分か後にゆきさんは意識をうしなった。

そして…

コンクリ詰めにあった…

この時であった。

ゆきさんは、通りにあるビルの工事現場にタンクローリー車が入って行くのを見た。

それを見たゆきさんは、大パニックを起こした。

「イヤ…イヤ…イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

ゆきさんは、激しい叫び声をあげたあとその場に座り込んだ。

「助けて…おとーちゃん…おかーちゃん…ゆりねーちゃん…ゆかねーちゃん…ゆいねーちゃん…ゆなねーちゃん…ゆみねーちゃん…」

ゆきさんは、震える声で大番頭《おおばんと》はんといととゆりさんたち5人きょうだいを呼んだ。

こわい…

こわいよぅ…

思い出したくない…

あの…

恐ろしい現場を…

思い出したくない…

イヤ…

助けて…

助けて!!
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