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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第132章 ふぞろいの人生
時は、日本時間2月11日の午後3時頃であった。

またところ変わって、和歌山市新留町《きしゅうわかやまにいどめちょう》にある中型の2階建ての借家にて…

借家に中古品の家具と家電製品が次々と入れられていた。

借家は、ゆきさんと哲人《てつと》と前の夫の連れ子・沙都水《さとみ》と沙都水のふたりの娘・沙由水《さゆみ》(長女・11歳)と沙緒莉《さおり》(次女・4歳)の合計5人が暮らす予定である。

ゆきさんと哲人《てつと》は、ケーサツの生活安全課《セイアン》に保護された。

まきたくみ夫婦が身元を引き受ける形で出たあと、ここに移り住んだ。

沙都水《さとみ》は、前の夫とリコンしたあと沙由水《さゆみ》と沙緒莉《さおり》を連れてここに帰って来た。

ゆきさんは、イワマツグループを退職して家庭に入ることにした。

哲人《てつと》は、契約職員《ケーヤク》で和歌山市役所《しやくしょ》に再就職した。

沙都水《さとみ》は、和歌山市内《しない》にあるスーパーストアに再就職した。

沙由水《さゆみ》は、和歌山市内《しない》の小学校に…

沙緒莉《さおり》は、和歌山市内《しない》の幼稚園に…

それぞれ転校・転園した。

ゆきさんは、家族5人でもう一度やり直して行こうと決意した。

しかし、その一方でゆきさんは医師から『要精密検査ですよ…』と言われたことをきれいに忘れていた。

ゆきさんは、大型病院ヘ精密検査に行くことがめんどくさいと感じていたと思う。

時は、アメリカ東部時間2月12日の夜7時半頃であった。

またところ変わって、ヒルトンミッドタウンホテルのキッチン付きの豪華スイートルームにて…

特大広間のテーブルにA班のメンバーたちが集まっていた。

キッチンにいる風香《フー》ちゃんとイナ姐《ねえ》はんは、プルコギを作っていた。

この時、ゆきさんが忘れて行ったケータイに電話がかかっていた。

ゆかさんが電話の応対をしていた。

電話は、大阪鴫野《おおさかしぎの》にある中型病院…ゆきさんが検査を受けた病院の男性医師からであった。

ゆかさんは、困った声で言うた。
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