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第140章 悪い女

またところ変わって、和歌山市新留町《わかやまししんりゅうちょう》にあるゆきさんたちが暮らしている借家《いえ》にて…

家のダイニングテーブルにゆきさんと哲人《てつと》と沙都水《さとみ》母娘《おやこ》とゆらさんがいた。

テーブルの上に沙都水《さとみ》が作った朝ごはんが並んでいた。

ここでもくだらないもめ事が発生した。

ゆらさんは、テーブルの真ん中に置かれている大皿に盛られているたくあんをはしでつまもうとした。

ゆらさんがはしでつまもうとしたたくあんは、哲人《てつと》が取ろうとしたものであった。

ゆらさんに割り込まれた哲人《てつと》は、怒った声でゆらさんに言うた。

「ゆら伯母《おば》さま!!」
「なんやねん〜」
「そのたくあんは、オレが取ろうとしたものだよ!!」
「なんで哲人《てつと》が取るのよ〜」
「だったらほかのを取れよ!!」

哲人《てつと》から怒った声で言われたゆらさんは、哲人《てつと》を突き飛ばした。

「なんやねんもう!!」
「なんで突き飛ばすんだよ!!」
「哲人《てつと》がうちにいちゃもんつけたからやった!!」
「ふざけるなクソ伯母《ババア》!!」

見かねたゆきさんは、ふたりに『やめて!!』と言うた。

「ふたりともやめて!!」
「哲人《てつと》がうちにいちゃもんつけたのよ!!」
「いちゃもんつけたのは伯母《ババア》だ!!」
「やかましいドアホ!!」
「ふたりとも、ごはん時にゲンカしないでよ!!」
「哲人《てつと》が先にてえ出した!!」
「ふざけるなクソ伯母《ババア》!!ぶっ殺してやる!!」
「なんやねんもう!!」
「表へ出え!!」
「ふたりともやめて!!」

思い切りブチ切れた哲人《てつと》とゆらさんは、借家《いえ》のキンリンでドカバキの大ゲンカを起こした。

さて、その頃であった。

イワマツグループの全メンバーたちは、海外各地と沖縄県で１日も休まずにお仕事を続けていた。

この先もスケジュールがぎっしりと詰まっているので、くだらないもめ事に付き合っているヒマなど１秒もないことをしるしておく。