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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第166章 風をくらって
時は、3月31日の夜7時20分頃であった。

またところ変わって、福也《さちや》さんの実家の大広間にて…

大広間のテーブルに福也《さちや》さんと章弘一恵夫婦《あきひろかずえ》と麻里子温大夫婦《まりこはると》の5人が集まっていた。

テーブルの上には、宅食で注文した料理が並んでいた。

智之《ともゆき》は、防衛大学校へ正式に転向したので家から出た。

和真《かずま》は、コーコーをやめて陸上自衛隊に入隊したので家にいない…

あやまちを犯した久義《ひさよし》は、3日前に朝倉で暮らしている資産家の家に養子に出されたのでいない…

朝倉で暮らしている資産家の夫婦が6億円を全額出してくださった。

これに伴って、問題はひとまず解決した。

しかし、温大《はると》は職場から別名《べつみょう》にある取引先の印刷工場へ出向を命ぜられた。

麻里子《まりこ》は、不足分を稼ぐために小泉にある老健施設で働くことを決めた。

福也《さちや》さんは、玉川支所に契約職員として再就職することが決まった。

ごはんを食べる前に、一恵《かずえ》がみんなに話をした。

「久義《ひさよし》が犯したあやまちは、朝倉で暮らしている(資産家)の夫婦が6億円を出してくださったので解決した…それと引き換えに久義《ひさよし》を養子に出した…智之《ともゆき》と和真《かずま》は、自衛官として生きることを硬《かた》く訣意《けつい》したので、もうこの家に帰ることはなくなったわよ…温大《ムコ》は明日から印刷工場へ出向…麻里子《まりこ》も明日から働きに出ることが決まった…福也《さちや》も明日から支所《やくば》へ行く…また家族は0から出直しね…」
「もういい…ごはん食べるぞ!!」
「分かったわ…」

このあと、家族5人は夕食に入った。

福也《さちや》さんの実家の家族たち5人は、しんみりとした表情で晩ごはんを食べた。
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