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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第12章 あばよ
あれはたしか、1982年1月末頃だった。

私は、陸上自衛隊少年工科学校時代《りくじのだんしこうじだい》の先輩からの紹介で東京丸の内にあるフツーのカイシャに再就職した。

時は、1月21日の日中であった。

場所は、丸ビルの30階にあるオフィスにて…

私は、社内で水回り清掃などの雑用をしていた。

どこの部署だったかおぼえてないけど、私はいやたい(やらしい)光景を見て激怒した。

オフィスラブを題材にした恋愛小説に出てくる『俺様上司』の男が女性従業員さんに対してなれなれしくしているのを見た…

俺様上司は、女性従業員さんに対して『今夜は空いてるかな?』…となれなれしい声で言うた。

みんなの模範にならなければならない人間が部下の女性にいやたいことをするのはゴンゴドーダンだ!!

思い切りブチ切れた私は、俺様上司に対して『ふざけるなこの野郎!!』と怒鳴りつけたあとすぐに職場放棄をした。

私に怒鳴られた俺様上司は『ふふーん〜』と言う表情を浮かべていた。

職場放棄した私は、ビル内にある喫茶店《さてん》で時間をつぶした。

時は、夜7時頃であった。

ところ変わって、吉祥寺南町《きちじょうじみなみまち》にある大型の家にて…

家は、陸上自衛隊少年工科学校時代《りくじのだんしこうじだい》の先輩とその家族たちが暮らしている家である。

私に怒鳴られた俺様上司の男は、先輩の奥さまの弟さんで、この家でゲシュクしていた。

家族は、先輩夫婦と先輩の両親と24歳くらいの弟さんと俺様上司の男だった…

私は、先輩から『うちでごはん食べろ…お風呂もうちで入れ…』と言われたのでここに来た。

みんなでごはんを食べていた時であった。

先輩の弟が俺様上司の男の頭を物で殴りつけたあと、怒鳴りつけた。

(ガーン!!)

「オドレ俺様!!」
「なにするのだよ〜」
「ふざけるな非常識野郎!!ぶっ殺してやる!!」

この時、先輩の奥様が困った声で言うた。

「ちょっと、なんで急に怒るのよ〜…(俺様上司)になんの落ち度があるのよ〜」
「落ち度があるから殴った!!」
「(先輩の弟)さん…」
「なんや!!文句あるのか!?(俺様上司)がオレにいちゃもんつけてきたから仕返ししたんや!!」
「(先輩の弟)さん〜」
「口出しするな!!」

先輩は、怒った声で俺様上司の男を怒鳴りつけた。
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