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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第187章 野ばらのエチュード
A班のメンバーたちは、9月10日から14日までの間はインドでお仕事に取り組んだ。

9月10日から11日までは、ジャールカンド州にある特大豪邸と特大倉庫のお手入れをした。

9月12日から13日までは、インド本社のオフィスビルにある私の個室でお仕事に取り組んだ。

時は、インド時間9月12日の朝7時半頃であった。

場所は、インド本社のオフィスビルの中にある私の個室にて…

個室の床に、透明のプラスティックケース5個が置かれていた。

ウェンビンさんとミンジュンさんとたつろうさんとリチャードさんは、プラスティックケースの中から書類を取り出したあとこまめに整理をした。

書類は、インド本社で行われた会議で決まった項目などの重要案件が記載されていた。

ミンジュンさんは、整理ができた順に私がいるデスクに書面を運んだ。

私は、書面をひと通り読んだあと万年筆を使って調印した。

たつろうさんとリチャードさんは、私が調印した書面に金印を捺《お》した。

書面に調印する作業は、夕方頃までつづいた。

時は、正午過ぎであった。

ところ変わって、オフィスビルの最上階にあるスタッフさん食堂にて…

ゆりさんとゆかさんとゆいさんは、ここでランチを摂っていた。

テーブルの上には、インドの定食・ターリーがならんでいた。

ゆりさんは、しんみりとした声で言うた。

「最後におかーちゃんのお墓参りをしたのは、4年前の冬だったわね。」

ゆいさんは『せやったね。』と答えた。

ゆいさんは、バベル(豆で作ったうす焼きせんべい)をつまみながらこう言うた。

「もうすぐ、秋のお彼岸が来るわね…おかーちゃんのお墓…どないなってるかな…だいぶあれていると思う…」

ゆかさんは、トマトスープが入っているマグカップを置いたあとこう言うた。

「できたらお墓参りをしたいわよ…せやけど、この先もスケジュールがぎっしりと詰まっているから…おかーちゃんのお墓にお線香を立ててあげることができない…ホンマにどないしたらええねん…」

ゆかさんは、しんみりとした表情で言うたあとバベルをつまんで2つに割った。

このあと、3人はひとことも言わずにランチを摂った。
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