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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第15章 高校三年生
時は、夜7時頃であった。

ところ変わって、食堂にて…

1日の訓練を終えた私は、出された食事を静かに食べていた。

食堂に置かれているテレビの画面に歌番組が映っていた。

この時、舟木一夫さんが『高校三年生』を歌っていた。

その後は、西郷輝彦さんの歌で『君だけに』〜三田明さんの歌で『美しい十代』とつづいた。

テレビの前に他の新兵さんたち10人が集まっていた。

テレビを見ていた10人の新兵さんたちは、口々に不満をぶち曲げた。

「オレ、来たところを間違えたみたいだ…」
「ああ、オレも間違えたよ。」
「オレも…」
「オレもだよ!!」
「やっぱり…フツーのコーコーに行きたかった!!」
「ああ!!オレもだよ!!」
「スイセン入試で受かった私立高校《コーコー》の方がよかった…」
「その私立高校《コーコー》は…キョウガクか?」
「そうだよ…私立高校《コーコー》にいたら毎日が天国だったのに…」
「そうだよな…毎日毎日…かわいこちゃんと一緒にたのしい時間がどれだけ幸せか?」
「ああ、そうだよ。」
「オレ、だまされたかもしれない…」
「だまされたって、どう言うことだよ?」
「ここで高卒の資格が取れると聞いたから来たけど…やっぱりウソだよ…」
「ああ、ウソだな!!」
「オレもそう思う!!」

晩ごはんを食べていた私は、テレビの前に集まっている連中に対してするどい目つきでにらみつけながらつぶやいた。

オドレら!!

グダグダグダグダグダグダグダグダグダグダ…と不満ばかり言うんじゃねえよ!!

文句があるのだったら、自分みがきをしてから言え!!

授業料・家賃・食費タダで、お金もらっている人間が不平不満を言うな!!

あのヤロー!!

ふざけんじゃねえよ!!

私は、10人の新兵たちをさげすんだ表情でにらみつけたあと食堂から出た。

それから数時間後のことであった。

10人の新兵たちが校内の敷地から脱走した。

私はその時、宿舎のベットでふて寝していた。

あいつらは…

間もなく地獄に墜《お》ちるだろう…

自由と権利ばかりを主張しまくったあいつらは…

より高い代償《コースト》をはらうことになるだろう…

翌朝、宿舎から脱走した10人の新兵たちは国電横須賀線の線路脇の道路でケーサツにしょっぴかれた。

彼らは、ケーサツにしょっぴかれたと同時に放校《ツイホー》された。
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