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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第236章 雨の慕情
(ザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザー…ゴーッ…)

時は、夜9時過ぎであった。

私が乗っている全日空機が福岡空港に到着した。

この時、福岡市内は雨が降っていた。

大陸からのびている前線の雲がかかっている関係で、雨が降っていた。

ショルダーバッグを持って飛行機から降りた私は、地下鉄に乗って中洲川端駅へ向かった。

中洲川端駅で電車を降りた私は、ショルダーバッグを持って地上に上がった。

(ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!ドザー!!)

私が地上に上がった時であった。

1時間に30ミリの雷を伴った激しい雨が降り出した。

激しい雨に打たれている私は、ずぶ濡れになりながらもドナ姐《ねえ》はんを探し回った。

しかし、ドナ姐《ねえ》はんはどこにもいなかった。

そうこうして行くうちに、私は人気《ひとけ》のないところへまた迷い込んだ。

…と同時に、またえげつない現場を目撃した。

日付けが変わって、11月1日の深夜0時半頃だった。

ところ変わって、にしてつ天神駅の北東側にある商店街《アーケード》の裏手の露地にて…

そこは、むかし市場でにぎわっていた通りであったが今はカンサンとしていた。

シャッターには、ラッカーで落書きされたあとがあちらこちらにあった。

この時であった。

私がいる場所から70歩先にあるカード式の電話機が有る電話ボックスに番頭《ばんと》はんがいたのを見た。

やばい…

かくれなきゃ…

私は、公衆電話から50メートル先にあるさびたドラム缶の陰に隠れて様子を見た。

電話ボックスにいる番頭《ばんと》はんは、ものすごく怖い声で受話器ごしにいる相手をおどした。
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