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乳房星(たらちねぼし)−1・0
第239章 難破船
それからまた3時間後であった。

屋台から出た私は、あてもなく中洲川端《なかすかいわい》を歩いて旅をした。

通りには、若いカップルたちや若い女性のグループたちや大学生のグループたちが往来していた。

通りのスピーカーから中森明菜さんの歌で『難破船』が流れていた。

私は…

明日からどう生きればいいのか…

大番頭《おおばんと》はんたちが行方不明になった…

ドナ姐《ねえ》はんの居場所が分からなくなった…

もう…

お先真っ暗だ…

私は、日の出と同時に大阪の入国管理局《ニュウカン》へ行こうと決めた。

入国管理局《ニュウカン》に保護申請をしたあと、第三国へ向けて出国する手続きを取る…

その後は、生まれ故郷のカナダへ帰る…

…と言う形である。

それからあとはどうしようか…

そんなことばかりを考えながら歩いた。

その間に、私は知らない間に福岡市内から遠ざかっていた事を忘れていた。

時は、明け方4時半頃であった。

私は、にしてつ二日市駅の駅舎の入口に設置されているベンチで休憩したあとショルダーバッグを持って旅に出た。

それからまた30分後であった。

私は、例のアパートの近くにやって来た。

この時であった。

アパートの部屋で恐ろしい事件が発生した。

アパートの部屋からなさけない男の声と女の泣き叫ぶ声と布が思い切り破れた音が聞こえた。

「イヤ!!やめて!!イヤ!!」

(ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!)

「やめろ!!妻に手を出すな!!胎内《なか》に赤ちゃんがいるのだぞ!!」
「ふざけるなマンネンイン!!」
「てめえばかり幸せになりやがって!!」
「助けて!!誰か助けて!!」
「やめろ!!」

あのヤローは、妻と共に番頭《ばんと》はんたちから暴行を受けたあと亡くなった。

恐ろしい事件を目の当たりにした私は、アパートからゆっくりと離れたあと急いで逃げた。

ところ変わって、JR二日市駅にて…

ショルダーバッグを持って事件現場から逃げてきた私は、駅舎に入ったあと左腕につけているカシオのデジタルウォッチを見た。

時計は、6時49分と表示されていた。

急がなきゃ…

番頭《ばんと》はんたちが追いかけて来るかもしれない…

私は、切羽詰まった声で駅員さんに言うた。
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