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ビッケとビッチ
第2章 11月19日日曜日午後5時~
 5

「は、はい、熟女、堪らないっす

 ゆ、悠里さんは違うけど…
 少しのカラダのたるみなんか…
 が、堪らないんす」
 と、恥ずかしそうに語ってきた。

「ふうん、熟女好きねぇ…」
 ウズウズと疼いてきていた。

 一応、わたしは体重やサイズ等はこの約10年間はキープしているが、それはマメに通っているスポーツジムやエステサロン、そしてバスケットコーチングによるモノのおかげではあるのだが…
 

「はい、僕の初体験は高3のバイト先の30歳の女性だったし…
 それからもほぼずっと年上の女性の彼女ばかりなんす」

「へぇ、そうなんだぁ…」

「だから、悠里さんはまさにドンピシャなんです」

 …ていうか、高校時代から○○高校の美紀谷先生として憧れていたんす…

「いや、あの当時の県内の男子バスケ部の半分近くは美紀谷先生として憧れていたみたいっすよ…」
 と、和哉くんはすっかり体育会系な言葉使いになって、そんな嬉しい言葉を語ってくれた。

「ふうん、でも、なんとなく嬉しいわ」
 褒められているのだから、悪い気にはならない。

「いや、マジっすから」

「そうなんすか?」
 と、わたしも口調を真似して応える。

「うわぁ、そんな美紀谷先生、あ、すいません、悠里さんも堪んないっす」

「でもさぁ、ちょっと褒め過ぎよ…」

「あ、いや、ホントっすから」
 だが、すっかり心が和んできていた。

 本当に、わたし自身も内心はかなり緊張していたのだが…
 和哉くんのこんな口調と、話しの内容で、心が緩み、和めたのである。

「じゃあさぁ、出ようかぁ」
 わたし達は、また、一昨夜のホテルに行く事にする。

 そしてそのホテルへは、このイタリアンレストランから徒歩約5分位であった…

 レストランを出て和哉くんの手を握り…
 肩を寄せて歩いていく。

 彼がかわいくて堪らなかったのだ…

 それはペットの愛くるしさの感覚と…

 まだ二回目…

 二日目の逢瀬という…

 昂ぶりからの想いであり…

 まだまだ、恋心とは紙一重のギリギリのラインを行ったり来たりしているといえた。

 今夜が分岐点かもしれない…

 色々な意味で…


 そしてホテルにチェックインをし、エレベーターに乗る。

 だが…

「あ、んん…」
 今夜は、和哉くんに先手を打たれてしまったのだ。



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