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拓也と菜津美
第4章 誘惑(菜津美)
ある朝、淡い期待を抱きながら、菜津美はいつもの電車の、いつもの車両…
でも、いつもとは違う後ろのドアから乗車してみた…急に…
もみくちゃにされながら車内に押し込まれ、電車はゆっくりと動き始めた。
彼を探そうと首を回した菜津美は、真後ろに見慣れたグレーのブレザーを見つけ驚いた。
(…いつの間に?…)
(でも…やっぱり…ね!)
期待通りの結果に、菜津美の胸は高鳴った。
少年は知らん顔をしているが、自分を追いかけてきたことは間違いない!
(ん?)
電車が走りだししばらくすると、菜津美のお尻に何かが触れた。
電車の揺れに合わせるように…
初めは意識を集中しないと気付かないような、微かな接触だったが…
(あらっ?)
車内は身動きできないほど混んでいる、電車が揺れた弾みで他人の体に触れてしまう事はよくある。
その一方で、故意に女性の身体に触れてくる輩もいる。いわゆる痴漢というやつだ。
菜津美も電車通勤をするようになって、この一年余りの間に明らかな痴漢行為に二度あっている。
お尻を触られたからと言って、別に減るわけではないし、触ってくるということは、自分が魅力的だという証拠なのだから、そんなに騒ぐ事ではないと思っている。
そう考えている菜津美だったが、彼女を襲った痴漢野郎は、二人とも生理的に嫌なクソ親父だったし、触りかたにデリカシーが微塵も感じられなかったので、はっきり拒絶してやった。
大体、痴漢をするやつは臆病者である。
菜津美が手首をつかみ、「大声を出すわよ!」と耳もとで言うと、二人ともすごすごとひきさがったのだった。
でも…今日のは少し違う。
でも、いつもとは違う後ろのドアから乗車してみた…急に…
もみくちゃにされながら車内に押し込まれ、電車はゆっくりと動き始めた。
彼を探そうと首を回した菜津美は、真後ろに見慣れたグレーのブレザーを見つけ驚いた。
(…いつの間に?…)
(でも…やっぱり…ね!)
期待通りの結果に、菜津美の胸は高鳴った。
少年は知らん顔をしているが、自分を追いかけてきたことは間違いない!
(ん?)
電車が走りだししばらくすると、菜津美のお尻に何かが触れた。
電車の揺れに合わせるように…
初めは意識を集中しないと気付かないような、微かな接触だったが…
(あらっ?)
車内は身動きできないほど混んでいる、電車が揺れた弾みで他人の体に触れてしまう事はよくある。
その一方で、故意に女性の身体に触れてくる輩もいる。いわゆる痴漢というやつだ。
菜津美も電車通勤をするようになって、この一年余りの間に明らかな痴漢行為に二度あっている。
お尻を触られたからと言って、別に減るわけではないし、触ってくるということは、自分が魅力的だという証拠なのだから、そんなに騒ぐ事ではないと思っている。
そう考えている菜津美だったが、彼女を襲った痴漢野郎は、二人とも生理的に嫌なクソ親父だったし、触りかたにデリカシーが微塵も感じられなかったので、はっきり拒絶してやった。
大体、痴漢をするやつは臆病者である。
菜津美が手首をつかみ、「大声を出すわよ!」と耳もとで言うと、二人ともすごすごとひきさがったのだった。
でも…今日のは少し違う。