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梨果サイドストーリー
第5章 秘密基地でイケナイ遊び
「はい、これ伝票ね。」

「ご苦労様。」

どんどんここに運び込まれる放置自転車。トラックで持ち込む作業員から伝票を受け取るおじいさん。

「1日にトラック何台くらいくるの?」

「3台くらいかな?」

プレハブの事務所で熱いお茶をいただきながら管理人のおじいさんと会話をする。

「で、取りにくる人は?」

「一週間に1人いるかいないかかな。」

「増える一方だね。」

「だから古い順番に今度はここから清掃センターに運ばれるんだよ。」

「廃棄になっちゃうの?」

「たいがいはね。使えそうなものはリサイクルされるよ。」

「ふーん……」

学校から歩いて冷えた身体を石油ストーブに当たって暖める。

「お嬢さん。」

「なあにおじいさん。」

「すっかり馴染んでるね。」

「だって居心地いいんだもん、ここ。」

あれから何度も来てしまう放置自転車置き場の秘密基地。高架下で電波の悪いラジオの音と煙草くさいプレハブの事務所。普通の女子中学生なら毛嫌いしそうな雰囲気だと思うけど私は好きだった。

「この壁に貼られたエッチなポスターはおじいさんが張ったの?」

「違うよ。人材センターの他の誰かかな?」

「この雑誌は?」

「前からあったよ。」

「ふーん。」

テーブルの下に無造作に置かれた成人雑誌をペラペラと捲る。女性のヌードグラビアなんかもあった。

「……おっぱいでっかー。」

「大きいに越したことはないからね。」

「そんな事言うと私のもう見せないよ?」

「いやいや、はじめからお嬢さんが勝手に脱いでたんだよね?」

「そうだった。」

「今日こそオメコさせてくれるのかい?」

「ううん。いくら頼まれてもしないってば。」

「お嬢さんのおかげでせっかくチンボが復活したのになぁ。」

「奥さんとしなよ。」

「とっくにあの世だよ。」

「そっか…ごめん。」

「シクシク…だから相手がいないんだよ。お願いだよお嬢さん。オメコさせておくれ?」

「泣き真似してもダメなものはダメー」

「いけずな子じゃのぉ。さて、締めの作業に入るかな。」

「もう誰も来ない?」

「ああ、さっきのトラックが最終便だよ。」

学校から歩いて冷えた身体もだいぶ暖まってきた。

「じゃあシテくるね。」

「この寒いのによくやるねぇ。」

「おじいさんちゃんと覗いててね。」

「はいよ。」
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