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祐子
第4章 祐子 : その4

祐子はふらふらと部長室に向かっていた。
死刑を執行される囚人が、処刑台に向かう時は、きっとこんは足取りだろう…などと、訳の分からないことを考えながら…
部長室のドアをノックすると
「どうぞ」
という、聞き慣れた優しい声がかえってきた。祐子は促されるままソファーに腰をおろす。顔を上げることはとてもできない。
「数年前、うちの会社の極秘資料が…」
暫くして、部長は静かに話し始めた。
「会社の極秘資料がライバル他社に漏れた為、かなりの損害が生じた事件があったんだ。」
祐子は顔を伏せたままだ。膝の上に置いた手の甲を涙が濡らす。
「結局、犯人は分からなかったんだが…」
「それ以来、重要事項を扱う役員の部屋には、監視カメラが設置されているんだよ。」
「もちろん、役員以外には知らされていないのだが…」
祐子はぼんやりと部長の言葉をきいていた。
(そうだったのか。)
(でも、もうそんなことはどうでもいいわ…)
「田崎君、いや、祐子、と呼んだ方がいいのかな。」
「仕事中にあんな事をしていたんだから、お仕置きをしないといけないな。」
はっ、として祐子は初めて顔を上げ部長をみた。いつもの優しい目の奥には、冷たい炎が揺れていた。
「祐子!両手をテーブルについて、スカートをまくるんだ。」
祐子の妄想が現実となった瞬間だった。
部長に裸の双臀を叩かれている時、祐子は(行き帰りの時の独り挨拶はもう辞めよう)と考えながら、歓喜の涙を流し続けていた。
死刑を執行される囚人が、処刑台に向かう時は、きっとこんは足取りだろう…などと、訳の分からないことを考えながら…
部長室のドアをノックすると
「どうぞ」
という、聞き慣れた優しい声がかえってきた。祐子は促されるままソファーに腰をおろす。顔を上げることはとてもできない。
「数年前、うちの会社の極秘資料が…」
暫くして、部長は静かに話し始めた。
「会社の極秘資料がライバル他社に漏れた為、かなりの損害が生じた事件があったんだ。」
祐子は顔を伏せたままだ。膝の上に置いた手の甲を涙が濡らす。
「結局、犯人は分からなかったんだが…」
「それ以来、重要事項を扱う役員の部屋には、監視カメラが設置されているんだよ。」
「もちろん、役員以外には知らされていないのだが…」
祐子はぼんやりと部長の言葉をきいていた。
(そうだったのか。)
(でも、もうそんなことはどうでもいいわ…)
「田崎君、いや、祐子、と呼んだ方がいいのかな。」
「仕事中にあんな事をしていたんだから、お仕置きをしないといけないな。」
はっ、として祐子は初めて顔を上げ部長をみた。いつもの優しい目の奥には、冷たい炎が揺れていた。
「祐子!両手をテーブルについて、スカートをまくるんだ。」
祐子の妄想が現実となった瞬間だった。
部長に裸の双臀を叩かれている時、祐子は(行き帰りの時の独り挨拶はもう辞めよう)と考えながら、歓喜の涙を流し続けていた。

