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僕の麗子さん
第1章 プロローグ
12月の街はどことなく皆、愉し気でワクワクしている様に見えるのは僕だけだろうか。
街は煌びやかなイルミネーションで溢れかえっている。

そんな煌びやかなイルミネーションで飾られている街をひとり歩くのが僕は好きだ。
僕の名前は宮沢領。18歳。もう大人だ。

僕は、中高大一貫教育の学校に通っている。
だから、大学受験に悩む必要はなかった。

両親は僕が5歳の時に離婚した。
その後、母、亜希子は某大手出版社に勤め、そこで働き女手一つで僕を育ててくれた。

その母も今では出版社で編集長をやっている。
亜希子の仕事は忙しく、家事などは殆ど僕がやっている様なものだった。

食事などは自分で作るか、外食するかのどちらかだ。
今日は外食したい気分だった。

僕は代官山にある行きつけのエスニック料理をリーズナブルな料金で食べさせてくれる店に行った。
そのエスニック料理店は、代官山駅から歩いて10分くらいの所にあった。

そこで僕はカウンター席に腰かけて夕飯を食べる。
今夜はパクチーの効いたちょっとピリ辛の鶏肉のフォーと生春巻きを注文した。

そのフォーは鶏肉にパクチーが沢山盛られているものだ。
生春巻きにもパクチーが入っていて定番の美味しさだった。

カウンター越しに店員が話しかけてくる。

「今日もひとりですか?宮沢さん?」
「あぁ、そうだよ…」

「食後のチャイはどうします?」

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