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僕の麗子さん
第4章 電話
僕は、今日も携帯の電話が鳴るのを待っていた。
麗子さんは、夕方4時くらいになると、僕の携帯に電話をしてくる。

それは、毎日の事ではなかった。
麗子さんの仕事の都合で、掛かってきたり、掛かってこなかったりしていた。

僕は、自分の部屋で本を読み、麗子さんの好きな音楽を聴いてその時をいつも待っている。
麗子さんが好きな音楽は、主に洋楽だった。

特に洋楽では“スティング”のファンだ。
スティングの“シェイプ・オブ・マイ・ハート”が好きだった。

僕も好んで麗子さんと同じ音楽を聴いた。
同じ音楽を聴いていると、麗子さんと一緒に居られるように感じたからだ。

今日も“スティング”の“シェイプ・オブ・マイ・ハート”を聴いている。
ちょっと切ない感じがするメロディだ。

でも、僕はこの曲が好きだった。
時計の針を見るともうすぐ4時になる。

今日は電話が掛かってくるだろうか。
僕は、その時を本を読んで心待ちにしていた。

本を読んでいても気もそぞろになってしまう。
自分の携帯を椅子の側に置いて電話が鳴るのをただ、待つ。

時計の針が4時過ぎを指した頃だった。
僕の携帯が鳴ったのだ。

着信を見ると麗子さんからだった。
僕は、嬉しさのあまり、速攻で通話のボタンをタップする。
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