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僕の麗子さん
第4章 電話
「もしもし…領くん…」
「麗子さん…」
麗子さんの声はちょっとゆっくりでそれでいてちょっと低い声だった。
少女の様な話し方をする。
「領くん、今、何をしているの?」
「え?今、麗子さんが好きな音楽を聴いていたよ…」
麗子さんは電話口でとても嬉しそうだった。
部屋にはシェイプ・オブ・マイ・ハートの曲が流れている。
その曲に混じって僕らは話をする。
「どんな、曲を聴いてるの?」
「スティングのシェイプ・オブ・マイ・ハートだよ…」
すると、麗子さんはとても嬉しそうにこういう。
「領くんと同じ曲が聞けて嬉しいわ…」
麗子さんはそう言うと少し笑った。
僕は麗子さんに尋ねる。
「今度は、いつ会えるの?」
麗子さんは暫く黙ってしまう。
部屋にはシェイプ・オブ・マイ・ハートの曲が流れている。
「領くん、ごめんね。暫く、仕事が忙しいの。でも、時間を作ってまた会えるようにするわ…」
電話の向こうでちょっと困っている麗子さんを僕は感じていた。
僕は分かっている。
麗子さんは結婚していて仕事もある。