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僕の麗子さん
第4章 電話
麗子さんはとても不思議がっていた。
「麗子さんの絵を描けば、いつでも麗子さんと一緒に居られるじゃない?」
「写真ではダメなの?」
「写真はダメだよ。絵じゃなくちゃ…」
僕は、写真の麗子さんよりも絵の中の麗子さんの方が好きだった。
それは、僕の想いを絵に込められるからだ。
「私、嬉しいわ…」
「そう?本当に?…」
僕は麗子さんにそう聞いてみた。
麗子さんは少しだけ黙るとこう言ってきた。
「領くんが好きだから、嬉しいのよ…」
「僕も麗子さんが好きだから絵を描くんだよ…」
僕は本当に麗子さんの事が好きだ。
だから、いつまででも会えるまで待つ事ができた。
「会える日が決まったら、また電話するわ…」
「うん、分かったよ…」
「じゃ、もう仕事に戻るわね…」
「うん、分かった…」
そう言うと麗子さんは電話を切った。
僕は、電話の切れた後の“ツー、ツー”と言う音を聞いていた。
今度はいつ会えるのだろうか。
そう、僕は思っていた。
部屋にはスティングの音楽が流れていた。