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僕の麗子さん
第6章 苦悩
「麗子さん、ごめん、こんなに強引にセックスしたりして、でも、僕は麗子さんの事が好きで好きでたまらないんだ…」
「いいのよ、領くん…」
そう言うと、僕の髪を優しく撫でてくれた。
そして、ゆっくりと話始める。
「領くん、私ね、子供の頃、電車で学校に通っていたの…」
「うん、…」
「それでね、電車の揺れで眠くなってしまったの…」
「それで、どうしたの?」
僕は聞き返した。
「私は眠ってしまって、目が覚めたら隣の知らない駅に電車は着いたわ…」
僕は黙って聞いていた。
尚も麗子さんは話し始める。
「私は、とても怖くなって、泣いたわ、その駅に降りられなかったの…」
僕は黙ってそれを聞いていた。
「今でも、知らない駅に着くと怖いの…人生もそれと同じなの。私は知らない駅で降りる事はできない…だから、領くんは、私にとっては知らない駅なのよ…」
僕はそれを聞いて哀しくなった。
こんなにも僕は麗子さんが好きなのに。
僕は思い悩んだ。
麗子さんとはこの先、一緒にはいられないのだろうか。
窓の外を見ると雨はすっかりと上がっていた様だった。