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僕の麗子さん
第1章 プロローグ

この感覚はなんだろうと、僕は思っていた。

「ひとつお願いがあるの…」

その女性がそう言ってくる。

「なんのお願いですか…」
「また、お店に来て私に会ってくれないかしら?」

「え?またですか?」
「そうよ…」

そう言うとその女性は僕に名刺の様な物を差し出してきた。
その名刺には「結城麗子」と書かれてあった。

「私、このジュエリーアクアのオーナーなのよ…」
「そうなんですか…」

「今日は、お店をちょっと見に来たの。そしたらあなたと会ったわ…」

僕はそれを聞くと恥ずかしくて耳まで赤くなるのを感じて返事が出来なかった。
この時、僕の心臓はドキドキしていたのだ。

このドキドキ感はなんだろうか、と思っていた。

「ありがとう、受け取ってくれて…」
「いえ、こちらこそありがとう…」

この時僕は思った。
この人を一瞬にして好きになってしまったのだと。

これが、僕と麗子さんとの初めての出会いだった。

街は煌びやかなイルミネーションとジングルが僕らを包み込んでいた。


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