この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
僕の麗子さん
第7章 喜び
その時だった。
ガレージの扉が開く音がした。
夫の聡が車で帰って来たのだ。
今日は出張で帰って来ないと言っていたではないか。
どうして、帰って来たのかわからなかった。
麗子さんも慌てている様だった。
「領くん、クローゼットに隠れて、早く!!」
麗子さんにそう言われて僕は慌ててベッドから飛び出るとクローゼットの中に入って息を殺した。
「麗子、居ないのか?麗子?」
夫の聡が1階のリビングからそう言ってくる。
僕は息を殺して隠れていた。
「あなた、ここにいるわ…」
「何だ、寝室にいたのか、探したじゃないか…」
「今日は泊まりじゃなかったの?」
「あぁ、仕事が直ぐに終わったんで、早く戻ったんだ、リビングにワイングラスがあったけど、誰かきていたのか?」
「え、ええ、亜希子が来ていたのよ」
「そうか、亜希子さんが来ていたのか…」
何故、麗子さんは母、亜希子の事を知っているのだろう、と僕は思った。
「ちょっとふたりで飲んでたの…」
「亜希子さんとは大学からの友達だもんな…」
え?亜希子と麗子さんは大学で友達だったのか?