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僕の麗子さん
第8章 発覚
「領くん、おかしなことはしないで…」
「もう、麗子さんの居ない世界なんて僕には何の意味もないんだよ…」
僕はそう言うと泪が頬を伝って流れるのを感じていた。
その時だ。
また聡が麗子さんの所に来て、携帯を奪おうとした。
麗子さんはそれに抵抗していたのだ。
「麗子、もう領くんの事は諦めるんだ!!」
「イヤよ!!諦めきれないわ!!」
「麗子、俺の言うことも聞いてくれ!!」
そう言うと聡は麗子さんの頬を平手で打ったのだ。
麗子さんは、よろけて地面に座ってしまった。
それを見て聡は慌てたように麗子さんの身体を支えた。
「麗子、悪かった、殴ったりして…」
麗子さんは何も言わなかった。
ただ、地面に落ちた携帯を見ていたのだ。
そして、泪が頬を伝って流れるのを感じていた。
僕は、黙って電話を切った。
その後、麗子さんは激しく泣いた。
電話を持ち耳に当ててみる。
その電話はすでに切れていて“ツー、ツー”と言う音だけが響いていた。
僕は、自宅へと急いで歩いていた。
麗子さんは放心状態でその場に座り込んでいた。