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僕の麗子さん
第8章 発覚

「麗子…!!」
背後からそれを止めようとする聡の声が響いてくる。
麗子さんは、聡を振り払うと携帯を持ち外に出た。
そして、通話のボタンをタップする。
「もしもし…領くん…」
「麗子さん…」
「領くん、今どこにいるの?」
「今、帰る途中だよ…」
「直ぐに、今から行くわ…」
「もう、いいんだ、僕は麗子さんを諦めるよ…」
「そんなことしないで…」
「だって、麗子さんは僕を愛してはいないのでしょう?」
「そんな、ことないわ…」
「僕は、麗子さんがいない世界なんて何の意味もないんだ…」
「領くん、どこにいるの?教えて…」
「僕は、もう、この世には用はないんだ…」
「そんなこと言わないで…」
「いいんだよ、麗子さん…」
「おかしなこと考えたりしていないわよね?」
「おかしなことって?」
「死んだりしないわよね?」
「死ぬ?それもいいかもね…」
僕は、死ぬのもいいかも知れないと思っていた。

